ツーマン・ブログ

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新型コロナウイルス禍

新型コロナウイルスの感染拡大(世界的大流行/パンデミック)によって、私たちの生命は脅かされ、生活が大きく変えられようとしています。
この新型コロナウイルスを駆逐する(この世からなくす)ことができたら、どんなにか晴々とした気持ちになるだろうと、その日を待ち望む気持ちがいっぱいですが…、このウイルスはそう簡単にはなくならない.. この先もずっと居続けることになるらしいです。
(これまでの人類の歴史の中で、ウイルス感染症を根絶させることに成功したのは、ただ一つ「天然痘」だけ..)

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「ウイルスとの長い戦い」と称されることもありますが、ウイルスを負かすことがほとんど不可能であるなら、「戦い」よりは「共存」と云うにふさわしいのではないでしょうか?

 

そもそも「ウイルス」とはどのようなもので、私たちにとって "悪者(敵)"でしかないのでしょうか?

以下の文章は、EMIRA(エミラ)/ソーシャルメディア からの抜粋記事です。

人間と共生する生き物?可能性未知数のウイルスの正体 | EMIRA
(2018年10月の記事なので、現在の状況を踏まえたものではありませんが、ウイルスについて知るには、いい記事だと思うので、紹介します。)

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『人間と共生する生き物?可能性未知数のウイルスの正体』

悪者のイメージが強いウイルスだが、実は人体を守り、さらには人の誕生に関わる働きもしているという。そもそもウイルスがどのようなものなのか正確に知っている方はいるだろうか。今回は、植物や糸状菌を材料にした染色体外因子の研究を専門とする神戸大学大学院農学研究科の中屋敷 均教授に、ウイルスとは何なのかを聞いた。

中屋敷均教授(農学博士/神戸大学大学院農学研究科教授)
 1964年生まれ、福岡県出身。1987年京都大学農学部農林生物学科卒業。
 植物や糸状菌を材料にした染色体外因子(ウイルスやトランスポゾン)
 の研究を専門分野としている農学博士である。
 著書に『生命のからくり』(講談社現代新書)、『ウイルスは生きて
 いる』(講談社現代新書)がある。

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<ウイルス=病原体 とは限らない>

ウイルスとは、バクテリア(細菌)、菌類、微細藻類、原生動物などとともに、よく“微生物の一種”と思われています。中でもウイルスは、一般的に病原体、つまり“悪いもの”というイメージですね。

よく大学の新入生に、大雑把なイメージをつかんでもらうために、真菌はわれわれと同じ多細胞生物、バクテリアはその体の一つの細胞が飛び出して独立して生きているもの、そしてウイルスは、その細胞の中の遺伝子が細胞から飛び出て“独立”したようなもの、と説明しています。
もちろん遺伝子だけだと何もできませんから、細胞の中に入ることで初めて活動できるのがウイルスなんですよ。学術的には『ヌクレオキャプシド(nucleocapsid)』と呼ばれていて、遺伝子である核酸(DNAやRNAの総称)をキャプシドと呼ばれるタンパク質の殻が包み込んで粒子を作っているものとされています。つまり、核酸とタンパク質の複合体がウイルスに共通するコアな構造ということになります。

ウイルスがバイ菌の中に含まれて表現されることがあります。しかしウイルスは『菌と呼んでくれるな』と思っているでしょうね。

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ウイルスは人間と違って、意思を持って行動しているわけではないので、仲間を作ろうとか、他のウイルスと仲良くやろうとか、言ってしまえば、自分を増やしていこうとも思っていない。

ウイルスの全てが病気の元になっているわけではないのです。
ウイルスがいることによって、何かしらの役に立っているものもあるんです。

*注釈
 私たちの根本であるヒトゲノム(人間の遺伝情報)の45%が、「ウイルス」や「ウイルスのようなもの」で構成されていることが現に示されています。

ウイルスがいたからこそ人間はここまで進化できた とも言えるんですね。


<人体にとってウイルスは善か、悪か?>

ウイルスは一般的には病気の元になりますし、それは事実。
一方で、ウイルスがあるからこそ元気でいられることもあるんです。
例えば、子宮で子供を育てるという戦略は、哺乳類が繁栄できているキモだと言われています。実は、子宮の胎盤形成に必須の遺伝子の一つがウイルス由来のもので、胎盤の機能を進化させる上で重要な役割を果たしていることが知られています。
現在でも、その遺伝子がなければ胎盤は正常には作れません。

例えば、ヘルペスのように、それがいることで他の菌に感染しにくくなっている、と報告されているものがあります。あるウイルスのおかげでわれわれの体は他の菌やウイルスに対して強くなる。つまり、ワクチンを打っているようなものかもしれませんね。

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<ウイルスは生き物なのか?>

ウイルスは基本的にエネルギーを作ったりはしません。
自身では設計図を持っているだけで、それを誰かに渡して製品(遺伝子産物や子孫)を作ってもらっているような感じです。
自分の製品をより多く作ってくれるところへ潜んでいき、そこで設計図を渡す。その動きだけを見ると、結構世渡り上手な感じですね。だからウイルス自身が何か生産的なことをしているというより、宿主の細胞に働きかけて上手にそのシステムを利用しているイメージです。

自身を増やす過程で、自分を排除しようとするものから巧妙に逃れる性質があります。この活動があるからこそ、ウイルスは増えていき、その結果、病気を引き起こすことにもつながっているのです。

自分では動けない、しかし自身を増やすことはできる。
何をもって“生きている”と定義するかによるのですが、進化をして、子孫を残すという性質を重視すれば、生きていると考えることもできるように思っています。

*注釈
 ウイルス=生き物かどうかには、賛否両論あり、結論は出ていないようです。

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ウイルスは、病気を引き起こすだけでなく、私たち人類の誕生や進化にも関係しているようです。ウイルスをなくせばいいというものではないように思えてきました。